――戦争を望まない国が、戦争に巻き込まれました――

 ――戦争を望む国が、戦争を起こしました――

 ――理由はわかりません――

 ――理由はありません――

 ――戦争を望まない国の国民は、突然のことに驚きました――

 ――戦争を望む国の国民は、当然の事だと思いました――

 ――戦争を望まない国の国民は、戦争がおきてしまうと、嘆き悲しみました――

 ――戦争を望む国の国民は、やっと戦争がおきると、歓喜に包まれました――

 ――戦争を望まない国は、その国と交渉しようとしました――

 ――戦争を望む国は、その国の交渉を断わりました――

 ――そして、――

 ――そして、――

 これは、そんな国の兵士の物語。

「なぁ、ギコ」

 と、緑色と赤色が入り混じった軍服を着た兵士が言いました。

「なんだ?フサ」

 と、紺色と赤色が入り混じった軍服を着た兵士が返答しました。

「これは、必然的に起きた事だと思うかい?それとも、単なる神様のイタズラなのかな?」

「さあな、俺にはこれが運命なのかイタズラなのか、そもそもこの『現実』という世界が本物なのかどうかもわからないからな」

「それはみんなそうだ。だって、この『現実』が『本物』だという証拠もない」

「じゃあ、この『現実』は『偽物』だということか?」

「いいや、『偽物』でもない」

「じゃあ、どっちなんだ?」

「……それは、誰もわからない。この『世界』が『本物』だという証拠もなければ、『偽物』だという証拠もない」

「……はっきりしないんだな」

 と、苦笑するギコ。

「……しかし、これだけはいえるぞ、ギコ」

「なんだ?」

「この世界は、『嘘』で創られている。そして、この『嘘』が、同時に『真実』でもあり、この『真実』が、世界を造っているんだ」

「……曖昧なんだな。この『世界』は」

「だか、曖昧だからこそ、この『世界』は『世界』として存在し続けている。『嘘』と『真実』は、異なるように見えても、実は一緒のものなんだ。この『異なる真実』があるからこそ、最初に言ったようにこの『世界』は存在できるんだ…………」

「……そうか。よかったよ、死ぬ前に『嘘』の『真実』が聞けて」

 そして、ギコは戦場を眺めました。

 そして、フサは戦場を眺めました。

 ――戦場からは、血のにおいがたちこめていました――

 ――戦場からは、死のにおいがたちこめていました――

 ――そして、ギコはこの『世界』からいなくなりました――

 ――そして、フサはこの『世界』からいなくなりました――

 ――そこには、何も残りませんでした――

 ――そこには、何もありませんでした――

 ――何も、何も、何も、何も、何も、何も………――

 何も残りませんでした。何もありませんでした。

 

 

 

〜後書き〜
ジャンル 筆者の独り言の展開。詩であって、詩でない物語


なんか書きたいことを適当に書いたって感じです。
あー、なんか暗いな。うん。暗い。
これだけにしておきます。ではノシ